2027年、医療機関の「情報共有」が変わる。求められるのは“説明できるDX”です
電子カルテ情報共有サービスの本格運用に向けて、医療機関にはシステム導入だけでなく、 院内ルール、患者説明、証憑管理、監査対応まで含めた準備が求められます。 F Labelは、医療・ヘルスケア領域のDX支援、業務設計、補助金活用支援を通じて、 現場が無理なく運用できる体制づくりをサポートします。
この記事でわかること
- 電子カルテ情報共有サービスの概要
- 3文書6情報で共有される医療情報
- 病名・感染症・アレルギー・検査情報で注意すべきポイント
- 医療機関が今から準備すべき院内体制
- F Labelが支援できる医療DX・業務設計の領域
重要な視点
電子カルテ情報共有サービスは、単なるシステム導入ではありません。
医療機関に求められるのは、情報を「共有できる」「説明できる」「現場で運用できる」体制です。
1. 電子カルテ情報共有サービスとは何か
医療DXは、いよいよ「導入したかどうか」から「正しく運用できるかどうか」の段階に入ろうとしています。 その中心にあるのが、電子カルテ情報共有サービスです。
これまで、患者の診療情報はそれぞれの医療機関の中に閉じていました。 紹介状、検査結果、病名、アレルギー情報、感染症情報などは、紙やPDF、FAX、患者の記憶、 あるいは医療機関ごとの電子カルテの中に分散していました。
共有対象として整理されているのは、いわゆる「3文書6情報」です。 3文書とは、診療情報提供書、退院時サマリー、健康診断結果報告書などを指します。 6情報とは、傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤禁忌情報、検査情報、処方情報などです。
| 区分 | 主な情報 | 医療機関にとっての意味 |
|---|---|---|
| 3文書 | 診療情報提供書、退院時サマリー、健康診断結果報告書など | 紹介・転院・退院後フォローなどの連携を円滑にする |
| 6情報 | 傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤禁忌情報、検査情報、処方情報など | 初診・救急・災害時でも必要な情報を確認しやすくする |
この仕組みが広がることで、患者は別の医療機関を受診した際にも、 過去の診療情報を踏まえた医療を受けやすくなります。 医療機関側にも、診療情報提供書の電子的共有による事務コスト削減、 問診の効率化、重複検査の削減、職場環境改善などの効果が期待されます。
2. 「病名」は医療機関間共有と患者向け表示で考え方が異なる
電子カルテ情報共有サービスで特に慎重な扱いが求められるのが、傷病名です。 医療機関間では、診療上必要な情報として傷病名を共有する方向で整理されています。 一方で、患者がマイナポータル等で確認する情報については、 医師が説明した病名を中心に取り扱う方向性が議論されています。
これは、医療現場に「疑い病名」や「レセプト病名」が存在するためです。 説明のないまま患者が病名だけを見た場合、不安や誤解につながる可能性があります。
疑い病名
検査や診断の過程で一時的に記録される病名。患者説明との整合性が重要です。
レセプト病名
診療報酬請求上必要になる病名。患者にそのまま表示されると誤解を招く可能性があります。
患者説明
患者に説明した内容を、カルテ記載や院内ルールと整合させる必要があります。
医療機関は今後、疑い病名と確定病名の管理、患者に説明済みの情報の記録方法、 レセプト病名と診療上の病名の整理、患者から問い合わせがあった場合の対応フローなどを確認する必要があります。
3. 感染症情報は医療安全と公衆衛生の観点から重要性が高まる
感染症情報は、医療従事者の安全確保、院内感染対策、地域医療連携において極めて重要な情報です。 電子カルテ情報共有サービスでは、感染症情報も6情報の一つとして位置づけられています。
感染症情報共有で期待される効果
医療機関側にとっては、救急時や転院時、他院受診時に感染症情報を確認できることが、 安全な医療提供に直結します。 ただし、感染症情報は機微性が高く、共有範囲や患者への説明、院内での登録ルールが重要になります。
情報を増やせばよいのではありません。 大切なのは、現場で本当に必要な情報を、必要なタイミングで確認できるようにすることです。
4. アレルギー情報は「命を守る情報」だからこそ、正確性が重要になる
アレルギー情報は、患者の命に直結する情報です。 薬剤アレルギーや重篤なアレルギー情報が共有されれば、 救急時や転院時、初診時に重大な医療事故を防ぐ可能性があります。
一方で、アレルギー情報は医療機関ごとに記録の粒度や表現が異なりやすい領域です。 「副作用」なのか「アレルギー」なのか。 「軽度の発疹」なのか「アナフィラキシー」なのか。 「患者申告」なのか「医師が確認した情報」なのか。 これらが曖昧なまま共有されると、現場に混乱を招く可能性があります。
| 確認項目 | 見直すべきポイント | 目的 |
|---|---|---|
| 患者申告情報 | 患者の自己申告と医師確認情報を分けて記録する | 情報の確度を判断しやすくする |
| 重症度 | アナフィラキシー等の重篤情報を明確にする | 救急時・初診時の医療安全を高める |
| 薬剤禁忌 | アレルギー情報と薬剤禁忌情報の関係を整理する | 処方時のリスクを減らす |
| 入力ルール | 院内で記録方法を統一する | 共有時の誤解やばらつきを防ぐ |
医療機関が今から取り組むべきことは、アレルギー情報の記載ルールを見直すことです。 F Labelでは、こうした「医療情報を使える形に整える」ための業務設計・運用整理を支援します。
5. 検査情報は、標準化と説明責任がカギになる
検査情報の共有は、患者にとっても医療機関にとっても大きなメリットがあります。 過去の検査結果を他院で確認できれば、重複検査の削減、診療の効率化、救急時の判断支援につながります。
しかし、検査情報には大きな課題があります。 それが、単位や基準値、検査項目名の違いです。 同じ検査項目であっても、医療機関や検査会社によって表示方法や基準値が異なることがあります。
検査情報共有で必要になる視点
医療機関に求められるのは、電子カルテベンダー任せにすることではありません。 どの検査情報を共有するのか、基準値はどのように表示されるのか、 患者に見せる情報と医療者が見る情報の違いは何か、 検査結果に関する問い合わせ対応はどうするのかを、事前に確認する必要があります。
6. 電子カルテ情報共有サービスで医療機関に求められる準備
電子カルテ情報共有サービスへの対応は、IT部門だけの仕事ではありません。 院長、事務長、医師、看護師、受付、システムベンダー、外部支援者が連携して進めるべき、 医療機関全体の運用改革です。
システム確認
電子カルテ、レセコン、オンライン資格確認等の対応状況を確認します。
院内ルール整備
病名、感染症、アレルギー、検査、処方情報の記録ルールを整理します。
患者対応
マイナポータル等で情報を確認した患者からの問い合わせ対応を整えます。
7. F Labelに相談するメリット
電子カルテ情報共有サービスへの対応で、多くの医療機関がつまずくのは、システムそのものではありません。 本当に難しいのは、制度を理解し、院内ルールに落とし込み、関係資料を整理し、継続運用できる状態にすることです。
| 医療機関の悩み | 放置した場合のリスク | F Labelの支援 |
|---|---|---|
| 電子カルテ情報共有サービスの準備がわからない | ベンダー任せになり、院内運用が整わない | 現状整理、対応項目の洗い出し、進め方の設計 |
| 病名・検査・アレルギー情報のルールが曖昧 | 患者説明や情報共有時に混乱が起きる | 院内ルール、記録方針、問い合わせ対応フローの整理 |
| 医療DX関連の補助金・助成金を活用したい | 申請機会を逃す、採択後の報告に苦労する | 補助金活用支援、申請書類整理、実績報告支援 |
| 規程やマニュアル、関連資料が散在している | 監査・行政確認時に説明できない | 業務フロー、規程、マニュアル、関連資料の整理支援 |
F Labelは、電子カルテ情報共有サービスを単なるシステム対応ではなく、 医療機関の働き方改革、業務効率化、情報管理、補助金活用を一体で進める機会として捉えています。
8. F Labelが提案する進め方
1
現状整理
電子カルテ、レセコン、オンライン資格確認、院内規程、マニュアル、関連資料の状況を整理します。
2
課題の洗い出し
病名、検査情報、アレルギー情報、感染症情報、患者説明、問い合わせ対応の課題を確認します。
3
院内ルール整備
誰が、いつ、どの情報を、どのように記録・管理・共有するのかを整理します。
4
補助金・助成金活用
医療DX、業務効率化、職場環境改善に使える可能性のある制度を確認し、申請・報告を支援します。
5
継続運用の設計
導入後も現場が使い続けられるよう、業務フロー、役割分担、資料管理、改善サイクルを設計します。
9. まとめ:2027年に向けて、医療機関は「説明できるDX」へ
電子カルテ情報共有サービスは、日本の医療を大きく変える仕組みです。 患者にとっては、自分の医療情報をより活用しやすくなる可能性があります。 医療機関にとっては、救急時・災害時を含めた安全な医療提供、事務コスト削減、 問診の効率化、職場環境改善につながる可能性があります。
情報を共有できる。患者に説明できる。院内で運用できる。 行政確認や補助金報告にも対応できる。職員の負担を減らせる。 この状態をつくることが、これからの医療機関経営に求められます。
電子カルテ情報共有サービスにどう備えればよいかわからない、 医療DX対応をベンダー任せにしてよいか不安、 院内ルールやマニュアル整備まで手が回らない、 補助金・助成金を活用して負担を抑えたい。 そのような医療機関は、F Labelにご相談ください。
医療DX・電子カルテ情報共有サービス対応を相談する
F Labelは、医療DX、補助金活用、業務設計、バックオフィス支援を通じて、 医療機関が2027年以降の情報共有時代に対応できる体制づくりを支援します。
F Labelに相談するキーワード
引用・参考
- 厚生労働省「電子カルテ情報共有サービスについて」
- 厚生労働省「電子カルテ情報共有サービス|システムベンダ向け」
- 厚生労働省「電子カルテの普及について」
- 内閣府 健康・医療戦略推進事務局「厚生労働省における一次利用の取組み」
- GemMed「電子カルテ情報共有サービス、浮上した課題に対応し、再度のモデル事業を経て、2027年1・2月頃に全国展開へ」
免責事項
本記事は、2026年4月29日時点で公表されている資料および報道をもとに、医療機関向けに一般的な解説を行うものです。 電子カルテ情報共有サービスの運用開始時期、共有対象、技術仕様、補助金制度、医療機関に求められる対応は、 今後の国の検討、通知、技術解説書、ベンダー対応、制度改正等により変更される可能性があります。 実際の対応にあたっては、必ず厚生労働省、医療DX関連の公的資料、各システムベンダー、所管団体等の最新情報をご確認ください。 本記事は、特定の制度対応、補助金採択、診療報酬上の評価、法令適合性を保証するものではありません。